書籍レビュー:ひとりも、死なせへん コロナ禍と闘う尼崎の町医者、551日の壮絶日記

発売から早々に重版が決まった長尾 和宏先生の「ひとりも、死なせへん コロナ禍と闘う尼崎の町医者、551日の壮絶日記」を読み終わりました。個人的には新型コロナの治療にイベルメクチンの使用を推奨していたお医者さんとして、注目していた方です。

一言で感想を聞かれたら、「こんなお医者さんにかかりつけ医になってもらえたら幸せだなぁ」です。臨床医など、専門分野で頑張っている方々も素晴らしいですが、まさに人の為の医療を実践している事が伝わってします。

新型コロナを5類感染症に変更して、普通の医院でも見られるようにする政策は私も理に適っていると思います。不謹慎だと言われそうですが、日本の自殺者は年間で2万人以上です。これでも減った方で2003年には最多の3万4427人でした。

新型コロナはこの記事を書いている時点で感染者数170万人、死者数17,698人です。これは1年では無く2年近い期間の累積でも、1年間の自殺者に及びません。感染爆発で医療崩壊だと大きく騒がれているのに、実際の死者数は自殺の方が多いという皮肉っぷりです。新型コロナでこれだけ騒ぐなら、自殺の防止にももっと力を入れるべきではないかと思ってしまいます。

確かにインフルエンザのように治療が確立している感染症と比べれば、新型コロナの脅威は大きいものです。それでも2類感染症と言う扱いのせいで、悪化するまで事実上の放置のような扱いを受ける医療が本当に正しいとは思えません。

少なくとも特殊な感染症として、新型コロナの治療に有志を持つ医院には積極的に軽症者への対応を進めるような政策を取っていれば、事ある毎に保健所を通さなくてはならず、機能不全に陥るような医療崩壊はだいぶ防げたのではないでしょうか。

100年に1度の感染症、これだけ世界的に人の流れが増えた状態で前例の無いことばかりです。日本の役所はとにかく前例主義と言いますか、臨機応変に危機管理を行うことが苦手だと思います。

政治家の先生も、こんな時だからこそ、強いリーダーシップでそれこそ政治生命を掛けるような気持ちで問題点を早急に解決して、対策を進めていたら…良い形で歴史に残ったのではないでしょうか。

この本を読み進めるほど、長尾 和宏先生の如何にかしたいのに、できる範囲が限られているもどかしさが、ひしひしと伝わってきました。医療に限ったことではありませんが、日本の政治はもっと臨機応変に失敗を恐れずに未来を見つめて行って欲しいところです。

コロナ自体も死亡率は低下していますし、ワクチンの普及と治療薬の開発も進んできましたので、あと少しで未知の感染症からたたの風邪になってくれるのではないでしょうか。

また、かかりつけ医を持ち、ちゃんとお医者さんとの意思疎通も大切だな…とも考えさせられる内容でもありました。長尾 和宏先生は新型コロナ以前から色々な本も執筆されているので、機会があれば読んでみたいですね。

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