Yahooのニュースで気になる記事がありました。
肥満の原因にも…腸内環境を壊す食品添加物
https://news.yahoo.co.jp/articles/647c568f41716f71534c6e0fa41f686231ee4866(記事のPDF)
「人工甘味料は、『カロリーオフ』や『カロリー0』などとうたった飲料や食品に使われています。さらには、ヨーグルトやキムチなどのいわゆる“腸活によい”というイメージのある食品にこうした人工甘味料が使われていることも少なくありません」
人工甘味料は、腸内での酪酸の産生を減少させることがわかっているという。
「酪酸は腸内で抗肥満の働きをしてくれる物質。よって“カロリーゼロ食品”を取り続けて酪酸が減少すると、ダイエットどころか、かえって肥満を招くことにつながりかねないのです」
低糖質を維持するのに欠かせない人工甘味料ですが、腸内細菌の作り出す酪酸を減少させてしまうと言う記事です。腸内細菌の中で酪酸を作り出すのは主に酪酸菌の役割になっています。酪酸菌の重要性は東大の微生物博士の書いた「コロナに殺されないたった1つの方法」に書いてあります。興味のある方は読んでみると良いでしょう。
気になる内容だったため、特に私がよく利用している人工甘味料のエリスリトールについて、調べてみました。
【衝撃】人工甘味料はホルモンバランスを崩壊させる! 糖アルコールは腸内環境を悪化させる! バズプラスニュース
https://buzz-plus.com/article/2015/06/21/sugar-content/(記事のPDF)
このサイトの記事によると、糖アルコールは腸を荒らして腸内細菌のバランスがくずれて「腸内毒素症」が起きるようになるらしいです。中でもエリスリトールは…
なかでも怖いのがエリスリトールで、2013年の論文(英文)によれば、やはり腸に穴が開きやすくなるうえに、ブルセラ族の細菌を増やす作用まであるそうな。ブルセラは腐った牛乳なんかに発生しやすい、かなり悪性の細菌であります。
と書いてあります。(汗) これは良くないかな…と思うところがありますが、記事を鵜呑みにするのは危険です。反対意見のある情報も調べてみました。
低エネルギー糖質甘味料・エリスリトールの 体内代謝と食品
https://www.jstage.jst.go.jp/article/eiyogakuzashi1941/56/4/56_4_189/_pdf
これは、J-STAGEと言うサイトgo.jpが表すように、政府機関の管轄にあるサイトですので、情報の信憑性は比較的高いものがあります。このサイトにある論文によると、エリスリトールは…
未吸収のエリスリトールは大腸に移行して腸内微生物による発酵を受け,短鎖脂肪酸に転換される。
この単鎖脂肪酸と言うのは、酪酸を含めて腸内細菌が作り出す人体のエネルギー源となる良質な脂肪酸です。酪酸が作られることにより、腸の活動が活発になり、酸素を消費して腸内が無酸素に近付くほど、悪玉菌の繁殖は抑制される効果があります。
バズプラスニュースの記事では、エリスリトールは腸内フローラを悪化させて悪玉菌を増加させる、リーガーカット症候群の原因となると書いてありますが、J-STAGEの論文ではむしろ、エリスリトールは腸内細菌の発酵で単鎖脂肪酸を増加させる、つまり腸内フローラはむしろ良好な方向へ改善されると考えられます。
エリスリトールが体に与える影響について、真逆とも言える内容の情報があることがわかります。エリスリトールに限ったことではありませんが、サプリメントや薬などに関わる論文はスポンサーの影響が色濃く表れているものが少なくありません。
例えばですが、砂糖の消費量を増やしたい団体は人工甘味料が体に悪いと言う論文を学者のスポンサーとなって資金提供を行い、自分たちに都合の良い論文を作ることができてしまいます。逆に人工甘味料の団体は砂糖が健康に悪く、人工甘味料が素晴らしいと言う内容の論文を書かせていることも十分にあるのです。
論文を書いた人間の素性と背後関係も考えないと、ただこう言った論文が出ている…と言った内容を鵜呑みにするのは危険が高いので注意が必要です。どのよう物のでも過剰なものは良くないのは事実ですので、必要最低限に留めておくのが理想でしょうか。