藤川徳美先生の著書、「薬に頼らずうつを治す方法」を読んでみました。薬に頼らずうつを治す方法の内容は基本的に「うつ消しごはん タンパク質と鉄をたっぷり摂れば心と体はみるみる軽くなる!」と似たような内容になっています。
具体的な治療の方法を漫画で具体例の紹介をしているのも読みやすいです。漫画で紹介されている治療症例は以下のようなものです。症例6の私は不眠症+うつのパターンによく似ている気がしました。
症例1 おかあさんうつ
症例2 タンパク質不足+プレッシャーうつ
症例3 マクロビ食うつ
症例4 パニック障害+うつ
症例5 強迫性障害+うつ
症例6 不眠症+うつ
症例7 過食嘔吐
症例8 総合失調症
症例9 ADHD
どちらかと言えば、この「薬に頼らずうつを治す方法」の方が簡素化されていて、一般向けになっている印象を受けました。薬で症状を抑えるのは対症療法で、これでうつ病を完治させることは難しく…短期では薬を使うべきでも、根底にある栄養素不足を補うことにより、薬を使わずにうつ病から脱却するプロセスを書いてあります。
藤川徳美先生はうつ病の治療にナイアシンを推奨していますが、ナイアシンは体質によって影響がかなり違うので注意が必要なサプリメントです。特に体中が痒くなるナイアシンフラッシュと呼ばれる現象はナイアシンを試した私も経験し、続けるのが難しいので断念しています。このナイアシン問題はまた別の機会にまとめて書く予定です。
また、うつ病と言えば、抗うつ薬の基本はセロトニンの再吸収阻害になります。うつ病について学んでいる方にとってはセロトニンの説明は不要ですね。このセロトニンの生産にはトリプトファン+鉄分が必要になるそうです。
またドーパミンの効果は集中力の向上と喜びを感じられるとされています。このドーパミンを生産するためには、フェニルアラニン+チロシン+鉄分が必要との事です。トリプトファンとフェニルアラニンは体内で構成のできない必須アミノ酸になっています。
ちなみにトリプトファンは1日の上限が6000mg以上は肝臓に悪影響がでるらしいですが、卵1個に含まれるトリプトファンは90mgとされているので、過剰摂取の危険性はまずありえません。フェニルアラニンの過剰摂取については調べてみましたが、上限を見つけることができませんでした。
この本の中では鉄分とタンパク質を中心に語られていますが、私はタンパク質を積極的に取りながらも、これらの成分を優先的に摂取できるサプリメントの併用も必要ではないかと考えています。
メガビタミンのカスケード理論に基くなら、セロトニンやドーパミンも人によって必要な量は大きく違う可能性は十分に考えられるものです。なので、タンパク質と鉄分をしっかり摂っても改善が見られない場合、それでも不足の可能性を考慮する必要があるのではないかと言う推論です。本の内容とは少しずれてしまいましたので、カスケード理論や必須アミノ酸の摂取などは別の機会に書いてみようと思います。
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